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第2話

《コロナ禍以後のピアノクラス》

コロナ禍の数年間で、私のピアノの生徒さんたちにも沢山の変化がありました。

外出しにくくなったこの機会に、コロナ感染を恐れ、残念ながら教室を辞められた方々もいらっしゃいました。

しかし、その流れとは反対に、コロナ禍でも、何故か1人、また1人とピアノが大好きな方が続々ご入会くださいました。

結果的に、コロナが過ぎ去った後は、大人もこどもも、ピアノが純粋に好きな方だけが教室に残ってくださいました。全体の3分の2が大人の趣味の生徒さん、残りがお子さんの生徒さんとなり、教室を始めて以来割合が逆転しました。

私自身もコロナ禍では演奏会も無くなりましたし、思わぬ出来事に戸惑った数年でしたが、今回の経験から自分にとって何よりも大切なものが一層クリアになったのかもと思う所もあります。

今、大人の生徒さんで1番多いのは子どもの頃弾いていたけど、ピアノを再開した40代以上70代までの方です。

そして大体の方はブルクミュラーの25の練習曲や、古典派のソナチネ辺りからやり直しをスタートします。

プレ・インベンションや、ギロックの叙情小曲集など美しい曲もそれらに並行していきます。

そしてタイミングをみて、さらに素敵な小品も講師の私と一緒にご相談しながらさがしていきます。

その過程で、生徒さんのお好みが見えて来たりします。

今、ネット上には著作権の切れた無料楽譜もたくさんあります。それらを上手に活用して頂き、音楽の拍子感、様式やセンス、タッチコントロールを磨いていきます。

ピアノの曲は知れば知るほど楽しいみたいですね。

私も未だに知らない曲が世の中に存在するくらいで、その数は一生かかっても弾ききれないくらい。

ピアノは非常に恵まれた楽器と言えるでしょう。

コロナ禍のはじめに勇気を出して門を叩いて来てくださった方々も、数年たち目覚ましく上達し、今では沢山の曲に取り組んでいます。

あこがれの曲にチャレンジしたり、毎日に刺激が増えたり、ステップに参加してみたり、ピアノ発表会に再び参加してみたりと、ピアノライフを満喫しているご様子。

私のレッスンでは、ヨーロッパの音楽院で学んだことを還元し、現地のレッスンと遜色ない内容となっておりますので、身体に無理なく美しい音で演奏する事ができるようになります。

昔よりずっと身体が楽だし最近ピアノが楽しいです♪と言っていただくとき、何より私も幸せを感じています。

皆さんとこれからも楽しい時間を共有できましたら幸いです。