束の間の想い

この楽曲は、先に「アンダンテ」の解説で触れたとおり、BSのTV番組のチェコ特集の中で、とある現地の音楽学校の生徒さんが演奏していた作品です。

 

冒頭はヴァイオリンで演奏されるようなイメージで、哀愁を帯びた旋律が自分の元に舞い降りるかのごとく、開始されます。

 

次第に主旋律に対旋律が絡みあい、左手へ主旋律が移行した後は仄暗い停滞するような部分を経て、何かわだかまりを持っているようです。

 

それを解き放つかのように爆発して、絶唱し、最後は彼方へと飛んでいってしまいます。短い中にもドラマがある楽曲です。

 

個人的には、赤屋根のプラハの街並みを眺めながら、この曲を聴きたい(弾きたい)と思っています。

 

世界遺産であるチェコ・プラハの街並みは不思議と物悲しいメロディがしっくりきます。

 

プラハの地に降り立ち、その街並みを始めてこの目で見たとき、その美しさに自然と涙が出ました。

 

街自体から音楽が聴こえて来そうなそんな環境だったのです。

 

 

この作品もどちらかというと、バッハのように沢山の声部の絡まりを表現していく部分が多いのですが、スメタナの作品はたとえ小品といえども、独特な弾き難さを持っているように感じています。

 

スメタナ作品を知った当初は、そういった部分が自分にとっても大きくウエイトを占めていたものの、彼の色々な作品にふれ演奏するうちに、何を表現したいのかということにフォーカスするとそういった表面的な難しさは自分の心の中で影を潜めていきました。(譜読みに慣れたともいえます)

 

スメタナのこの楽曲の楽譜から見えてくるのは数人でのアンサンブル、室内楽的な響きの、ピアノにおける追求です。

 

それぞれが調和した響きを楽しんで弾きたいと思っています。